フィリピンでのERP導入はここに注意!BIRのCAS要件を徹底解説
会計
記事更新日:2025/04/01

はじめに:なぜフィリピンの会計は難しいのか
フィリピンでの企業運営において、日本企業が直面する主要な課題の一つに「会計と税務の複雑性」があります。特に、現地法人でERP(統合基幹業務システム)を導入する際には、フィリピンの税務当局である BIR(Bureau of Internal Revenue)が定める厳格な要件に準拠する必要があります。BIRは、会計システムを利用する全ての納税者に対し、CAS(Computerized Accounting System)の登録を求めており、これを満たさないシステムは正式な会計帳簿として認められません。本記事では、フィリピンのBIRが求めるCAS要件とは何か、どのように対応すべきか、そしてmultibookがどのようにしてその課題を解決できるのかを解説します。
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目次
CAS(Computerized Accounting System)とは?
CASは、企業が使用する会計システムについて、BIRが定める形式、内容、保存方法を含む一連の要件を満たす必要がある制度です。2021年に発行された RMO No. 9-2021 により、従来煩雑だった登録プロセスが簡略化されましたが、以下のような複数の要件が存在します:
- システムから出力される請求書やOfficial Receiptには必要な全項目を記載する必要がある
- General Ledger(総勘定元帳)、Journal(仕訳帳)など帳票は要件に準拠している必要がある
- 2307(源泉税証明)などの税務帳票の出力機能が必要
- データ保存期間は10年以上であること
- Audit Trail(監査証跡)の保持と出力が必要
これらの要件を満たしていない場合、BIRの監査時には重加算税や罰則が科される可能性があり、非常にリスクが高いと言えます。
BIR登録と税務コンプライアンスの壁
日本企業がフィリピンでERPを導入しようとすると、CAS登録の壁に直面することは珍しくありません。
- 「日本では当たり前の一般的なERPが、フィリピンでは認められない」
- 「BIRに提出する帳票がシステムで出せない」
- 「源泉税やVATに関する会計処理が現地制度に合っていない」
といった声をよく聞きます。
これは、フィリピンの税務制度が「帳票ベース」で非常に細かく規定されており、「この帳票にはこの項目が載っている必要がある」という明確なルールが存在するためです。日本の会計システムをそのまま使っても、BIRに拒否されてしまうのです。
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multibookのCAS完全準拠機能とは
multibookは、日本企業の海外展開を支援するグローバルクラウドERPとして、フィリピンのCAS要件に完全に準拠した機能を実装しています。主な機能は以下の通りです:
CAS対応InvoiceおよびOfficial Receiptの出力
- 必要な項目(TIN、VAT REG TIN、Business Style、税率ごとの金額内訳など)を完全出力
- 伝票番号の連番管理やREPRINT表示などもBIR規定通り
- 英語対応・自由レイアウトで実務にも柔軟に対応
BIR Form(2307, 2306)自動出力
- 源泉税証明書(2307)をInvoice発行時に自動生成
- ATCコード・税率も自動反映
- 支払者側の税務処理もサポート可能
税務申告用ファイルの生成(1601EQ, 1604E, 2550Q)
- BIR指定フォーマットでの自動ファイル生成
- 提出に必要な形式に対応したテキストファイルとして出力可能
拡張源泉税(EWT)への完全対応
- GL債務消込画面から、源泉税を自動計算・明細自動生成
- 取引先や税率、ATCコードなども自動設定
データ保存・監査証跡機能
- 各トランザクションにユーザーID・タイムスタンプを記録
- 会計伝票は転記後に編集不可(取消対応)
- 10年以上の帳票保存に対応
これらの機能により、「ERPを入れたら逆に面倒になった」 という従来の不満を解消し、税務監査対応・会計ガバナンスの強化に直結します。
フィリピンにおける導入事例:現地経理の声
ある日系製造業の現地法人では、長年にわたり二重帳簿(BIR用と実務用)を運用しており、経理チームは月次処理だけで数週間を要していました。multibookの導入前、CFOは以下のような懸念を抱えていました:
- 会計処理と税務申告の整合性が取れていない
- BIRの監査対応に膨大な工数がかかる
- システムと帳票の乖離が発生しやすい
しかし、multibookの導入によって以下のような効果が得られました:
- 請求書発行とForm2307出力の完全自動化
- 税務申告ファイル出力による税務対応業務の効率化
- 債務消込と源泉税処理の統合によるミス削減と効率化
導入後、現地の経理マネージャーは「従来Excelで行っていた手作業をシステム化し、内部統制が大幅に改善された」と報告されています。
multibook導入の流れ:PoCからCAS登録サポートまで
multibookを導入いただいたお客様には、事前の会計運用ヒアリングから、システム導入後のCAS申請のご支援まで丁寧に対応させていただきます。
ステップ1:現状分析・要件ヒアリング
- 現地の会計運用実態をヒアリングし、課題を可視化
ステップ2:PoC(概念実証)
- 必要帳票やBIR帳票の出力検証を実施
ステップ3:本番導入・マスタ設定
- MACM110, MAAC220, 勘定科目等の必須項目を整備
ステップ4:CAS申請支援
- 必要ドキュメントのテンプレート提供
- multibook側での出力帳票整備と説明書サポート
- 実績あるコンサルタントによるアドバイス提供
今すぐ始める:multibookのフィリピン向けERP相談
フィリピンの税務・会計要件に対応したERPをお探しの方は、まずはお気軽にご相談ください。
- BIR帳票サンプルのご提供可能!
- ご相談予約受付中!(オンラインでのご相談も可能です。)
- 現地法人との連携による導入支援実績多数!
日本本社からの現地の管理と、現地運用のギャップを埋める最適解がここにあります。是非、multibookをご検討ください。また、マルチブックでは、グローバルクラウドERP:multibookだけでなく、フィリピンの経理業務を代行(BPO)するアウトソーシングサービスも提供させて頂いています。フィリピン拠点の会計、システム、CAS/CBA、経理業務に課題をお持ちでしたら、お気軽にご相談下さい。
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